村松の映画に一言第5話『ゾッキ』

俳優の竹中直人、山田孝之、齊藤工が3人で共同監督を務め、漫画家・大橋裕之の初期作品集「ゾッキA」「ゾッキB」を実写映画化したヒューマンコメディ。

舞台演出家・劇作家の倉持裕が脚本を手がけ、約30本の短編が収録された原作コミックから複数のエピソードを織り交ぜて構成。

原作者・大橋の生まれ故郷である愛知県蒲郡市でロケを敢行し、ある特別な秘密を抱える人々が織りなす日常と、彼らに訪れる少し不思議な奇跡を描く。

「ゾッキ」とは、“寄せ集め”という古本市場で使われる特殊用語。映画撮影の裏側を描いたドキュメンタリー「裏ゾッキ」も公開予定。

あらすじ

今日も地球は秘密と嘘で回っている。

ある女は「秘密は大事に、なるべくたくさん持て」と助言する祖父が告白した自分の秘密の数に驚かされる。

(C)2021「ゾッキ」製作委員会

ある男は、当てがないというアテを頼りに、ママチャリに寝袋とエロ本を乗せて旅に出る。

(C)2021「ゾッキ」製作委員会

ある少年は、成り行きでついた嘘をきっかけにやっと友達ができたものの、あややに似ている“いるはずがない自分の姉”に恋をしたと告げられてしまい、頭を悩ませる。

(C)2021「ゾッキ」製作委員会

ある青年は、今、消息不明の父と体験した幼い頃の奇妙な出来事を思い題してた。

そして、日々をお客の少ないビデオ店でのアルバイトでなんとなく過ごして来た少年はある事件が海の向こうで起きたことを知る。

感想レビュー

(C)2021「ゾッキ」製作委員会

映画は緩やかなつながりを持たせつつも独立したエピソードが続く、一種のオムニバス映画というのが正しいのではないでしょうか?

パートごとにも監督が変わり、色合いも微妙に違っています。竹中直人、山田孝之、齊藤工という、全くカラーが違う三人の演出ではありますが、脚本家が同じなので意外なほどに統一感がとれています。

結果として長編映画になっていますが、エピソードごとの独立性が強いので“そこだけ出演すればいい”という拘束時間が短いという条件もあってか、驚くほど豪華なキャストが揃いました。

撮影は愛知県蒲郡の人々の熱心な誘致があって、全編・蒲郡での撮影となりました。もう少し地元の風景が感じられると良かった気もしますが、この辺りの顛末はドキュメンタリー映画「裏ゾッキ」でたっぷりと描かれているようです。

長編映画だと思うとちょっと風呂敷のたたみ方に物足りなさを感じなくもないのですが、オムニバスコメディとして見るとこういうのもありかなとも思います。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(3.0)
笑える
(2.0)
泣ける
(3.0)
]
総合評価
(3.5)

作品データ

(C)2021「ゾッキ」製作委員会

原題/

制作年/2020

制作国/日本

時間/113分

ジャンル/コメディ

受賞歴/

原作/大橋裕之

配給/イオンエンターテイメント

監督/竹中直人、山田孝之、齊藤工

出演者/吉岡里帆、鈴木福、満島真之介、柳ゆり菜、南沙良、安藤政信、ピエール瀧、森優作、九条ジョー、木竜麻生、倖田來未、竹原ピストル、潤浩、松井玲奈、渡辺佑太朗、石坂浩二、松田龍平、国村隼

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