あらすじ

今日も地球は秘密と嘘で回っている。ある女は「秘密は大事に、なるべくたくさん持て」と助言する祖父が告白した自分の秘密の数に驚かされる。ある男は、当てがないというアテを頼りに、ママチャリに寝袋とエロ本を乗せて旅に出る。ある少年は成り行きでついた嘘をきっかけにやっと友達ができたものの、“あやや似の、いるはずがない自分の姉”に恋をしたと告げられてしまい、頭を悩ませる。ある青年は、今、消息不明の父と体験した幼い頃の奇妙な出来事を思い出していた。そして、日々をお客の少ないビデオ店でのアルバイトでなんとなく過ごして来た少年はある事件が海の向こうで起きたことを知る。それぞれに特別な秘密を抱える人々が織りなす日常と、彼らに訪れる少し不思議な奇跡を描く。
感想レビュー
全編が少年心に寄り添ったコメディ。遊び心が満載の演出にこの作品の監督は一体誰なんだ!?と思ったら竹中直人×山田孝之×斎藤工というコメディを非常に得意とする3人の俳優がタッグをくんだというから納得した。それでも心配なのはキャラが強すぎる3人の監督達が上手く一つのものを作り上げられたのか?という心配。(余計な心配すいません)原作がおもしろいコメディということもありひとつひとつの作品は面白い。ほんの少し気になったのはオムニバスのためつなぎ目の部分でみているけど頭の中で休憩時間のような集中力がきれてしまう瞬間が何度も訪れる。だけど、コメディだから気軽にのんびり見れると考えればこれでOK!
自転車で旅をする青年と共に作品を渡り歩いて不思議な世界を一周する。同じ道を何度も行ったり来たり、あそこにいた少年があの少年であのときのあれはこんな理由で…と伏線と思ってもいなかった伏線を回収してくれる。
出演している俳優も個性豊か。個人的には鈴木福くんがもう福くんなんて呼んだら失礼なほどに大人の男性になっている。バイトする姿も様になっているし、下ネタだって興味のあるお年頃…。歌姫と呼ばれた倖田來未がまさかの参戦!これにもかなりのサプライズでびっくり。九条ジョーという芸人さんはばんくんという非常に大切な役どころを熱演。元々は髪の毛もあったのを役作りで坊主にしているという気合いのいれよう。芸人さんの姿も今後みてみたい。出演者が多いため語り出すとどこまでも掘り下げられる作品だった。今後も色々な俳優さんが監督としてコラボした作品をみてみたい。
作品データ
原題/
制作年/2020
制作国/日本
時間/113分
ジャンル/コメディ
受賞歴/
原作/大橋裕之『ソッキ A』『ゾッキ B』(カンゼン刊)
配給/イオンエンターテイメント
監督/竹中直人、山田孝之、齊藤工
出演者/吉岡里帆、鈴木福、満島真之介、柳ゆり菜、南沙良、安藤政信、ピエール瀧、森優作、九条ジョー、木竜麻生、倖田來未、竹原ピストル、潤浩、松井玲奈、渡辺佑太朗、石坂浩二、松田龍平、国村隼