村松の映画に一言第7話「SNS-少女たちの 10 日間-」

成人女性が未成年という設定のもとSNSへ登録すると、どういったことが起こるかを検証したドキュメンタリー。

巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋に、幼い顔立ちの18歳以上の3人の女優が集められ、彼女たちは12歳の女子という設定のもと、SNSで友達を募集。すると彼女たちに2458人もの成人男性がコンタクトを取ってくる…。

あらすじ

巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋(のセット)で、オーディションで選ばれた幼い顔立ちをした3名の女優(実は18歳以上)は、偽のSNSアカウントで12歳のふりをするという任務を与えられます。

各々の女優は部屋のPCで、連絡をしてきたすべての年齢の男性とコミュニケーションを取ることに。その際には12歳であることははっきりと告げる、自分からは連絡しない、誘惑や挑発はしない、露骨な性的な話題は断るなどのいくつかのルールが定められていました。

当初のプロジェクトと想定通り、大多数の成人男性はビデオセックスを要求し、自身の性器の写真やポルノのリンクを送信してきます。

なかには恐喝する者もあらわれます。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家の万全なバックアップやアフターケアを用意しながら撮影を続けること10日間。児童への性的搾取者が徐々に尻尾を出し始めます。

(C)2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved.

感想レビュー

現代の子どもたちが直面する危険をありのまま映し出したリアリティーショーというにはあまりに過激過ぎる本作は、SNSと常に接するジェネレーションZ世代やその親たちに驚きと恐怖と共に迎えられ、本国チェコでドキュメンタリーとしては異例の大ヒットを記録したとのことです。

児童への性的搾取の実態を描いた映像として、チェコ警察から刑事手続きのための映像が要求されるなど、実際の犯罪の証拠として警察を動かした問題作でもあります。

(C)2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved.

ドキュメンタリー映画でR指定ということで、とにかく”たちが悪い”。

ドキュメンタリー映画にも演出や編集があって、作り手の意図が介在することはわかっています。それでも、映るものが生の題材であることを考えると、あまりにも生々しくて、正直見ていていい気持ちが全くしません。合間合間にカウンセラーや科学者の分析、考察、感想、カウンセリングが入るのでまだ見ていられるものの、これが実在する人間たちだと考えるとゾッとしてしまう。しかし、こういう人間たちが、まず間違いなく我々の世界のどこかには実在していることをこのドキュメンタリーは証明している。実に嫌な世界に住んでいるものだ…。

(C)2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved.
映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(5.0)
笑える
(3.0)
泣ける
(3.0)
総合評価
(3.5)

作品データ

(C)2020 Hypermarket Film, Czech Television, Peter Kerekes, Radio and Television of Slovakia, Helium Film All Rights Reserved.

原題/V siti

制作年/2020

制作国/チェコ

時間/104

ジャンル/ドキュメンタリー

受賞歴/プチョン国際ファンタスティック映画祭正式出品、コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭正式出品、ペルゲン国際映画祭正式出品、モントリオールニューシネマ映画祭正式出品

原作/

原案/ヴィート・クルサーク

配給/ハーク

配給協力/EACH TIME

監督/バ-ラ・ハルポバー、ヴィート・クルサーク

出演者/テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタトバー、サビナ・ドロウハー

(文:村松健太郎)

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