画家であるアントニオ・リガブエの生涯の物語。絵画に興味がある人はもちろん第70回ベルリン国際映画祭で銀熊賞最優秀男優賞を受賞した主演のエリオ・ジェルマーノの演技にも注目!
あらすじ
20世紀素朴派の重要な画家で、ゴッホの名前も引き合いに出されることもあるアントニオ・リガブエの数奇な生涯をたどる物語。イタリア人移民の子としてスイスに生まれるが、本人の意に反してイタリアに追放されてしまう。貧困にあえぎ、時には精神を病むことがあありながらも、芸術への情熱は絶やさずに独自の道を歩み続ける。
作品情報
イタリア映画祭2021オンライン上映作品
上映時間
120分
監督・キャスト
監督:ジョルジョ・ディリッティ
主要キャスト: エリオ・ジェルマーノ、オリヴェル・ヨーハン・エーヴィ
公式サイト
イタリア映画祭2021 公式サイト:朝日新聞デジタル (asahi.com)
感想レビュー
序盤はアントニオ・リガブエの幼少期と大人になった姿がめまぐるしく切り替わる為少し困惑する人も多いかもしれない。しかし、この幼少期の出来事は彼の中でも人生を大きく左右する出来事であった。とても重要なシーンだったと鑑賞後に題名の意味とともにしんみりと感じることになる。
何度も精神を病んでは病院に送られることを繰り返しながらの人生ではあったが彼の制作したものはどれも素晴らしいもので評価する人がいたことが彼の人生の救いではあったのだろう。とてもナイーブな人だった為、劇中でも登場するがせっかく制作した作品もどんどん壊してしまったり捨ててしまったりしていたようだ。(なんて勿体ない!)
彼の映画は1978年にも「リガブエ」というタイトルで制作されている。
今回の作品で驚いたのは主演のエリオ・ジェルマーノの役作りだ!写真をみてみると本人にそっくりなのだ。ベルリン映画祭での主演男優賞は納得!個人的にはヴェルリンっぽい作品の印象を受けましたが…最近では「ゴッホ」の映画に似た印象でこれがオンラインでみれたのは嬉しいけれど、劇場向けの作品だったようにも感じたので少しコロナ禍で上映出来なかったのは無念…。
まとめ
芸術家の人生は生み出すものが素晴らしければそれと比例して苦悩もともにするように感じる。沸き上がる想像と現実で起きていることのギャップからなのかもしれない。この手の作品を見ると美術館に飾られる作品がよりいっそう尊く素晴らしく感じるだろう。
(文:編集長)