サッカーチーム存続のために立ち上がったのは、町の女たち。 支えるだけじゃない、私たち、選手になる!と走り出す彼女たちが眩しい痛快作。劇中に登場するフランスサッカー事情からも彼らの心情を見ていきたい。
あらすじ
窮地に陥った名門サッカーチームを救うべく立ち上がった女性たちの奮闘を描くフランス発のハートフルコメディ。北フランスのサッカーが盛んな町クルリエール。名門チームSPACの試合中に乱闘騒ぎが起こり、主要メンバー全員が出場停止になってしまった! このままでは残りのリーグが戦えずにチームは崩壊し、町が大打撃を受けてしまう。不甲斐ない男たちに代わって立ち上がったのは、町の女たち。専業主婦、シングルマザー、セレブ妻、女子高生らサッカー未経験の彼女たちは、奇跡を起こすべく一致団結するが……。
作品情報
公開日
2021年3月19日
上映時間
95分
原題
Une belle equipe
監督・キャスト
監督:モハメド・ハムディ
主要キャスト: カド・メラッド、セリーヌ・サレット、アルバン・イバノフ、サブリナ・ウアザニ、ロール・カラミー、アンドレ・ウィルム、コリン・フランコ
予告編
感想レビュー

女子が女子サッカーチームを作る話かと思いきや、そうではない。男子サッカーに女子が殴り込むのだ。いや、サッカーなので、蹴り込むわけだ。もちろん、女が男のフィールドで闘うのだから簡単ではない。だから映画が盛り上がる。
女子というのも語弊があり、彼女たちのほとんどが大人だ。それぞれに女の事情を抱えてボールを追う。目標に向かって一つになる映画は多いが、やはり間違いなくワクワクできるテーマだ。勇ましい女に引き換え、町の男どもがだらしないので笑いが生まれる。男性優位社会で安穏としてきた者たちの狼狽ぶりは時に愉快で、時に腹が立ってくる。
見どころは、女子サッカー元フランス代表のコリン・フランコも加わったサッカーシーン。そして、さらに注目なのは女同士の会話だろう。監督は女を分かりすぎである。際どい冗談の数々には大笑いした。
本作のチーム「SPAC」は北パ・ド・カレー杯優勝とあり、パ・ド・カレーとは県の名称なので県大会優勝といったところだろうか。3回優勝したというクープ・ドゥ・フランスは国内の全チームが参加できる大会で日本にも同様の天皇杯があり、名誉あるトーナメントだ。つまり、規模は小さいが創立90年の実績も伝統もあるチームだと分かる。町の男たちの反発はそれほどの歴史あるチームが崩壊する恐れからだと思うと、少し理解できるかもしれない。
まとめ

女がカッコよく、ほとんどの男性陣がダメダメに描かれているので、女性にウケること間違いなし。人としてカッコよい男たちも描かれており公平さもちゃんとある。性別や役割なんて関係なく、共に尊重し合い協力し合い生きていこうという明朗なメッセージも感じられるだろう。大いに笑って、人間が元気な映画は楽しい! そう実感できる1本。この映画は優勝だ。
(文:キタコ)
サッカーファン以外はどう観たか、ライター2人の視点は下記リンクで!
[…] 女たちよ、伝統あるサッカーチームを救え!『クイーンズ・オブ・フィ… […]