あらすじ

フランス北部の小さな町クルリエール、ここに根付いたサッカークラブであるSPACは、歴史や伝統こそあるものの今シーズンの成績はどん詰まり、残された4試合で1点でも獲得して成績を残さなければリーグから除外される運命にあった。そんな中、審判の判断を巡って乱闘騒ぎになり、チーム全員が出場停止のペナルティを受けることに!
チーム存亡の危機に立ち上がったのは監督の娘や選手の妻たちだった。伝統あるチームで女性がサッカー、ましてや対戦相手は男性チームということで、夫たちからも激しい反対を受けるものの、今までサポートに徹してきた妻たちのチーム愛は並々ならぬものがあり、チーム存続をかけた女性チームが結成されることになる。残りは3試合、彼女たちはチームを救えるのか!? そして、急に家事・子育てに直面したボンクラ夫たちはどうする……?
感想レビュー

聞くと見るとは大違いというか、マジメで社会派なイメージを少々持っていたが、思った以上に気楽に観れる楽しいコメディだった。もちろん大枠として現代的な女性活躍のテーマはしっかりあって、多様なバックグラウンドの女性たちがスポーツを通じて仲良くなっていく姿は非常に微笑ましく、社会の固定観念と対峙する姿には励まされるだろう。
チーム監督のマルコ以外の男性陣はだいぶキャラクターのデフォルメが強く、ステレオタイプ過ぎるダメ夫描写などは軽い方で、チームのパトロン男性の幼稚な妨害などはやってることがヒドすぎて逆に笑えてくるが、これは娯楽コメディとしては全くマイナスにならず、この辺のディティールを白飛びさせているからこそ気楽に楽しめる映画になっていると思う。
数々の個性的な登場人物が魅力的な映画でもあり、セリーヌ・サレット演じるチームリーダーのステファニーはとにかくカッコいいし、カド・メラッド演じる監督マルコが最初は反対していた女性チームを戸惑いながらも作り上げていく姿は愛らしい。
クラブが一丸となって迎える最後の試合はサポーターになったつもりで応援できた。映画の品格など知ったことかというような大団円もサービス精神に満ちていて、からっとしたところが魅力的な映画だ。
作品データ
原題/Une belle équipe
制作年/2019年
制作国/フランス
時間/95分
ジャンル/コメディ
受賞歴/
原作/
配給/イオンエンターテイメント
監督/モハメド・ハムディ
出演者/カド・メラッド、アルバン・イバノフ、セリーヌ・サレット、サブリナ・ウアザニ、ロール・カラミー
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