本物のディーバが登場、カンヌ受賞作『さすらいの女神(ディーバ)たち』

「キングス&クイーン」「潜水服は蝶の夢を見る」の名優マチュー・アマルリックが監督・主演をこなした。異色のロードムービー。第63回カンヌ国際映画祭・コンペティション部門に出品されで監督賞・国際批評家連盟賞を受賞した。

あらすじ

(C)Les Films du Poisson – Neue Mediopolis Filmproduktion – ARTE France Cinema – WDR/ARTE – Le Pacte – Film(s)

ジョアキム・ザンドはフランスでは、有名なテレビ・プロデューサーでしたが、今はすっかり落ちぶれてしまっています。再起を期し、渡米した彼はそれから数年後アメリカのショー・ガールたちで結成したニュー・バーレスクで成功をおさめ、各地の巡業ででそれなりに盛況となります。しかし、肝心のパリでの凱旋公演が実現できずにいます。古い仲間に頼むものの、なかなかうまく話が進みません。

別れて暮らす息子たちに会いに行ったジョアキム。息子たちとの関係はぎくしゃくしたまま。その後、子供たちを連れて一座と合流したジョアキムは、ショーを終えた翌日、子供たちをパリに見送りにいきますが、同行していたミミとともに列車に乗り遅れてしまい、車で一座を追いかけることになります。2人で過ごすうちにジョアキムとミミの距離も縮まっていきます。

2人が潰れたホテルで休んでいると、そこに一座のメンバーもやってきます。ジョアキムがメンバーに、凱旋のつもりでフランスに連れて来たのに期待通りに行かなかったと語ると、メンバーらは冗談まじりにジョアキムを慰めます。メンバーとの距離を縮めたジョアキムは館内放送のマイクで「ショータイム!」と叫びます!

作品情報

(C)Les Films du Poisson – Neue Mediopolis Filmproduktion – ARTE France Cinema – WDR/ARTE – Le Pacte – Film(s)

公開日

2011年9月24日

上映時間

111分

監督・キャスト

監督/マチュー・アマルリック

キャスト/マチュー・アマルリック、ミミ・ル・ムー、キトゥン・オン・ザ・キーズ、ダーティ・マティーニ、ジュリー・アトラス・ミュズ、イービ・ラベル、ロッキー・ルーレット

感想・レビュー

(C)Les Films du Poisson – Neue Mediopolis Filmproduktion – ARTE France Cinema – WDR/ARTE – Le Pacte – Film(s)

こういう落ちぶれた中年男性の物語、その中年が諦めずにあがく物語というのはフランス映画の得意なジャンルと言えるかと思います。

様々な事情を抱えた女性が登場したり、別れた家族が出てきたりするのもいかにもフランス映画、ヨーロッパ映画らしいほろ苦さと苦笑い感を感じさせます。

アメリカでロードムービーとなると車文化の国と言うことで、ミニバンやトラックが出てくるところですが、鉄道網が発展・定着しているフランス・ヨーロッパが舞台と言うことで列車でのロードムービーになっていて、このこともちょっと珍しい描写を見ることができる映画です。

登場するショーガールたちは実際に、当時のニュー・バーレスクの現役メンバー。ステージでの芸名やパフォーマンスもその当時のオリジナルのものです。この思い切った起用で、ショーのシーンや各地を転々と巡業していくシーンはこれ以上ないほどリアルです。本物でしか出せない空気感を感じることができます。

アメリカの女性が大挙してフランスにやってくるという設定の物語ゆえに英語とフランス語が飛び交うちょっと異色のフランス映画でもありました。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(3.0)
笑える
(3.5)
泣ける
(3.0)
総合評価
(3.0)

まとめ

(C)Les Films du Poisson – Neue Mediopolis Filmproduktion – ARTE France Cinema – WDR/ARTE – Le Pacte – Film(s)

映画「さすらいの女神たち」は“バーレスク”という文化を知らないとちょっとぎょっとするかもしれませんが、欧米ではこういうモノが一つのショーのスタイルとして確固たる地位を築いていて、日本でもバーレスク東京などがあります。

R-15指定映画と言うことと合わさって、日本人それ以上の先入観”を抱きがちになりそうですが、“見世物”全般が持つ独特のいかがわしさはあるものの、そのことははあまり意識せずに見るということが良いでしょう。

(文:村松健太郎)

現在、WOWOW「ミニシアター応援宣言」でも無料放送・配信中。
「W座からの招待状」信濃八太郎推薦作品「さすらいの女神(ディーバ)たち」

コメントを残す