フォロワー至上主義が行き着く果てとは!?「スプリー」

サンダンス映画祭のプレミア上映で目の肥えた観客たちを熱狂させ、33スクリーンの小規模公開ながら全米興行収入ランキング9位に食い込むスマッシュヒットを記録した不条理スリラー

Netflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のジョー・キーリーが主演し、サシーア・ザメイタや、デビッド・アークエット、ミーシャ・バートン、ララ・ケント、フランキー・グランデらが共演陣に名前を連ねています。

あらすじ

(C)2020 Spree Film Holdings, LLC. All Rights Reserved

ライドシェアドライバーのカート・カンクルはフォロワーを増やしたい一心であるアイデアを思いつく。

それは乗客を手にかけ、その様子をライブストリーミングで配信するというとんでもないものだった。カートはSNSをバズらせて人生の一発逆転をもくろむが、「フェイクだ」「退屈だ」と、反応は散々なもので、まったく盛り上がる気配がない。

思惑がはずれたカートの怒りの矛先は乗客にとどまらず、拡散させないインフルエンサーにまで向けられていく…。

作品情報

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公開日

2021年4月23日

上映時間

93分

監督・キャスト

監督/ユージーン・コトリャレンコ

キャスト/ジョー・キリー、サシーア・ザメイタ、デヴィッド・アークエット、カイル・ムーニー、ミーシャ・バートン

公式サイト

映画『スプリー』公式サイト (synca.jp)

感想・レビュー

“SPREE=スプリー”という言葉に馴染みがなくて、辞書で調べたところ熱狂する、バカ騒ぎする、○○で盛り上がる、などの意味があるとのこと。そういえばスプリーキラーなどという物騒な言葉がありますが、そのスプリーかと思い及んで何て嫌な連想・発想をしたのだとちょっとへこみました。

劇中ではカーシェアリングというか、ライドシェアリングサービスの名前としてもスプリーという言葉が登場します。上記のような意味の言葉のサービスなど積極的には利用したくない気もしますが…。

私もSNSはやっていますし、ネットでの記事の執筆が大半です。シェアされたり、“いいね”が多かったりすればそれなりに気分もいいものです。ただ、それがすべてかというとそこまでではないというのが今の気持ちです。いわゆるインフルエンサーと呼ばれる人たちの影響もあまり意識したことはありません。

本作の主人公カートのようなフォロワー至上主義というか、ひねくれ過ぎた承認欲求のようなものはちょっとわからないレベルのものなので正直、感情移入しきれない部分もあるのですが、こういう人のそばに身を置くであろうことは大いに考えられるので、気を付けたいと思いました。まだ具体的な方法が浮かびませんが…。

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映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(3.0)
笑える
(3.5)
泣ける
(3.0)
総合評価
(3.0)

まとめ

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正直、主人公のカートの行動には一切の同調がありません。しかし、迷惑系YouTuberなんていうものが跳梁跋扈している世の中だとなくもないのかなと思ってしまいます。どうやったら、こういう人たちとお近づきならないで済むのか願うばかりです。

一方でネットというフィルターが人の感情や意識をどういう風に変えてしまうかと言うことを表しているという意味では映画「スプリーSpree」も一見の価値があるのかもしれません。

不条理ホラー、不条理サスペンスとしては新味を感じることができます。この手のジャンルが”世の中の最新”をどん欲に取り込みやすいジャンルだと言うことを証明しています。

(文:村松健太郎)

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