編集長のひとりごと第12話「ソウルフル・ワールド」

ディズニー&ピクサーによる長編アニメーション。「インサイド・ヘッド」「カールおじさんの空飛ぶ家」を手がけ、ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーも務めるピート・ドクター監督の作品。

あらすじ

人間が生まれる前の「ソウル(魂)」たちの世界を舞台としたファンタジーアドベンチャー。ニューヨークに住む、ジャズミュージシャンを夢見ながら音楽教師をしているジョー・ガードナーは、憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にする。しかし、その直後に運悪くマンホールに落下してしまう。そして「ソウル(魂)」たちの世界に迷い込んでしまう。そこはソウルたちが人間として現世に生まれる前にどんな性格や興味を持つかを決める場所だった。ソウルの姿になってしまったジョーは、22番と呼ばれるソウルと出会うが、22番は人間の世界が大嫌いで、何の興味も見つけられず、何百年もソウルの姿のままだった。生きる目的を見つけられない22番と、夢をかなえるために元の世界に戻りたいジョー。正反対の2人の出会いが冒険の始まりとなる。

感想レビュー

Disney+で2020年12月25日から配信。当初は劇場公開予定だったが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大により劇場公開を断念し、Disney+での独占配信に切り替えられた。監督の前作「インサイド・ヘッド」を見たことある人にはそっくりのキャラクターの「ソウル」達がみなれたフォルムで本作のストーリーの世界への階段が一段下がってより入り込みやすいと感じた。

主人公は大人になっても正社員になる道を選ぶことを夢がいつか叶うと諦めきれない気持ちから決断できずにいた。主人公の生徒を通して大好きなことを大人になるまで続けることの難しさや好きなことを職業にしたいと思ってもその夢がかなう人はほんの一握りである現実をみせたうえでその中からうまれる大切なものも教えてくれる。

現実と夢の狭間でゆれる主人公の葛藤はリアルなものであると同時に大人向けの内容であると思った。子供には理解しきれない感情の部分まで丁寧に描かれているのは大人になって見返してみることの出来る作品になっているということだろう。ディズニー作品には夢や希望のテーマがつまっているがここまで大人向けに深い内容になっているのは少し他の作品と毛色が違いどこかジブリ作品に似た匂いを感じた。

自分が興味関心のあることや個性となる部分が産まれる前に決まっているのだとしたらとても面白い。産まれてからの自分の行動はそれに出会うべく動いているということになると思うとまた楽しい気持ちになる。もしもがつまった発想と夢のある作品であるところはさすがディズニー。

ディズニー映画には毎回様々な他の作品のキャラクターや景色などがちりばめられている。今回もピクサー作品から「トイ・ストーリー」「カーズ」「モンスターズインク」などのおなじみのあんなものやこんなものが発見できた。何度もみて捜してみるのもディズニー映画の楽しみ方のひとつなのだ。今度は子供達と一緒に鑑賞しようと思う。

映画の評価
ハラハラワクワク
(5.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(4.0)
笑える
(3.0)
泣ける
(3.5)
総合評価
(4.0)

作品データ

原題/Soul

制作年/2020年

制作国/アメリカ

時間/101分

ジャンル/アニメーション

受賞歴/第78回ゴールデングローブ賞最優秀作曲賞、最優秀長編アニメーション映画賞

原作/

配給/

監督/ピート・ドクター

出演者/ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ、グレアム・ノートン、レイチェル・ハウス

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