実話を基にしたカーリング女子の奮闘を描く『シムソンズ』

2002年のソルトレイクシティ五輪に出場した北海道常呂町(現・北見市)のカーリング女子日本代表チーム「シムソンズ」をモデルに、4人の少女たちの奮闘を描いた青春ストーリー。

あらすじ

(C)2006「シムソンズ」製作委員会

ホタテと玉ねぎとカーリングだけが名物の町、北海道常呂町。地元の高校に通う和子は、特に将来の夢もない毎日を過ごしていました。

ある日、高校の先輩であり、オリンピックにも出場した憧れのカーリング選手“マサト様”こと加藤真人が出場する地元の試合に応援に出かけると、マサト様本人に「チーム作ってみる気ない?」と声をかけられます。

こうして、カーリングチームを作ることになった和子。集まったのは運動音痴の史江と、農場の娘・菜摘、そして唯一の経験者で真人の幼なじみの美希の4人。そんな4人の前に現れたコーチは、“憧れのマサト様”ではなく、ダサいジャージ姿の漁師・大宮平太。

不純な動機にチームワークもバラバラな4人の少女とワケあり漁師によるチーム「シムソンズ」は北海道大会に向け走り出します。

作品情報

(C)2006「シムソンズ」製作委員会

公開日

2006年2月18日

上映時間

113分

監督・キャスト

監督/佐藤祐市

キャスト/加藤ローサ、藤井美菜、高橋真唯、星井七瀬、大泉洋、丸山智己、松重豊、森崎博之、田中圭、森下愛子、夏八木勲

予告編

感想・レビュー

(C)2006「シムソンズ」製作委員会

この「シムソンズ」が作られたころは、ちょうど「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」などの異色の学生部活・青春モノが多かった時期で、この「シムソンズ」もそんな流れの一本と言えるでしょう。その一方で、2002年ソルトレイクシティ冬季オリンピックに実際に出場した女子カーリングチーム“シムソンズ”の実話ベースの映画でもあります。

また北海道を舞台にしたご当地映画であり、大泉洋や森崎博之などの北海道出身の俳優が出演しています。

ウィンタースポーツ映画は日本ではあまりありませんが森山未來と本作と同じく加藤ローサが出演したアイスホッケー映画の「スマイル聖夜の奇跡」、オリンピックのスキージャンプのテストジャンパーを描いた「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」などがありますね。少しなじみが薄いので物語のとっかかりの部分で若干、苦戦するかもしれませんが、スポーツの種目はあくまでも絆を結ぶ点、物語のきっかけに過ぎません。

映画の本筋は将来に何をしていいかわからない少女たちが、もしかしたら将来の方向性になるかもしれないものを見つけるという見る人を選ばない普遍的なものになっています。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(3.0)
笑える
(3.5)
泣ける
(3.0)
総合評価
(3.0)

まとめ

(C)2006「シムソンズ」製作委員会

カーリングもだいぶメジャーなスポーツになってきましたが、映画製作当時の2006年はまだよくわからない部分が多いスポーツだったのではないかと思います。そのために、少し説明のパートが多くなっているのが気になる部分ではありますが、止むを得ないという気もします。

加藤ローサ以下、当時若手で、これから!!というタイミングだった主役の4人は熱演を見せています。全国進出最初期の頃の大泉洋の演技も今見るとなかなかフレッシュで、シムソンズの面々と同じ初々しさを感じることができます。

(文:村松健太郎)

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