編集長のひとりごと第11話「マ・レイニーのブラックボトム」

あらすじ

 Netflix映画『マ・レイニーのブラックボトム』独占配信中

舞台は1920年代のシカゴ。ある暑い日の午後、”ブルースの母”の異名を持つ歌手、マ・レイニー (アカデミー賞受賞のヴィオラ・デイヴィス) のレコーディングが行われようとしていた。主役の到着を待つバンドメンバーの間に、もめ事の火種がくすぶる中、当のマ・レイニーは遅れて登場。彼女は、白人のマネージャー、プロデューサーと楽曲制作の主導権をめぐって対立し、一歩も引かぬ構えで食ってかかる。一方、バンドのコルネット担当で、マ・レイニーのガールフレンドに狙いを定めるレヴィー (チャドウィック・ボーズマン) は、音楽業界で実力を認められたいと野心に燃えていた。狭苦しいリハーサル室での待機中、レヴィーに触発されてバンドメンバー達が次々に話を飛び交わせると、あらゆる真実が明らかになり、後戻りできないほど人生が変えられていく。

感想レビュー

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1920年代のアメリカについてやブルースについての知識があまりない人がこの作品を見たときに音楽の素晴らしさや黒人差別によって起こった理不尽な出来事にに対して心揺り動かされるという普遍的な内容はあるものの作品の魅力が理解しきれたのかというとわからなかったことをもっと理解したいと作品の魅力を深掘りしたくなる魅力がある。時代背景などをわざわざ調べるのは少し面倒だなと思った時に良い物を発見!本作はNetflixの作品であり作品をより理解するために「マ・レイニーのブラックボトムが映画になるまで」という教科書のような30分のDVDを購入するとついてくる特典映像のようなものが一緒に用意されているのだ。Netflixならではのサービスといえる。こちらを本編を鑑賞後にセットでみることをオススメしたい。

アカデミー賞では衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされているのだがどれほど細部までこだわって制作されているのかが「マ・レイニーのブラックボトムスが映画になるまで」をみることで良くわかった。

主演女優賞にノミネートされているマ・レイニーを演じたヴィオラ・デイヴィスのコメントもどれほどに役への理解度を高め作品に望んだのか熱いメッセージを聞いてオスカーを獲って欲しいと応援したくなった。主演男優賞にノミネートされているチャドウィック・ボーズマンの声が聞けないことにはとても残念に思いながらも彼が演じた役の中に込められた強い思いは劇中の熱い演技をみるだけで充分受け取ることが出来る。どこをとっても完成度の高い作品だったといえる。作品の舞台を原作から映像化するにあたり冬から夏に季節を変えたのは大成功だったと思う。原作の季節を変えるということへのチャレンジが大きな成功へと近づく手助けとなった点は脚本のうまさを賞賛したい。それにしてもNetflixこれほどまで完成度の高い作品が量産されてしまうと嬉しいけど困ってしまう。

映画の評価
ハラハラワクワク
(4.0)
ドキドキ
(3.5)
考えさせられる
(5.0)
笑える
(3.5)
泣ける
(4.0)
総合評価
(4.5)

作品データ

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原題/Ma Rainey’s Black Bottom

制作年/2020年

制作国/アメリカ

時間/93分

ジャンル/ドラマ

受賞歴/第78回ゴールデングローブ賞主演男優賞受賞

原作/戯曲「Ma Rainey’s Black Bottom」

配給/

監督/ジョージ・C・ウルフ

出演者/ヴィオラ・デイヴィス、チャドウィック・ボーズマン、グリン・ターマン、コールマン・ドミンゴ、マイケル・ポッツ、ドゥーサン・ブラウン、テイラー・ペイジ、ジョニー・コイン、ジェレミー・シェイモス

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