myfffクロスレビュー「英雄は死なない」

あらすじ

突然見知らぬ男に、1983年8月21日にボスニアで死んだ兵士の生まれ変わりではないか、とパリの路上で声をかけられたジョアキム。その日が自身の誕生日と一致することから、その話を信じるようになった彼は、友人のアリスとヴィルジニーを連れてサラエヴォへと旅立つ。戦争の亡霊たちで埋め尽くされた国で、ジョアキムの前世をたどる彼らの行く手には…

クロスレビュー

©・ウォーソ・フィルムズ

フレームホッパーのレビュー

ドキュメンタリー作家のアリスが、友人であるジョアキムの盲信する彼の前世を追い求め、撮影クルーも連れて悲しい歴史を持つボスニアを旅するモキュメンタリー。ただし作中でも言及されるがボスニア紛争および虐殺の時代と、ジョアキムの前世の没年にはズレがある。前世探しの旅と聞いて想像する冒険への期待をかなり裏切る映画で、難航するドキュメンタリー撮影や要領を得ない会話を不安になりながら観ることになる。実際の埋葬式典を取材しているのではないかと思われる映像があるもののストレートにそこと繋がる物語になっておらず、トラジコメディとして見ればいいのかと困惑する場面も多い。現実と物語という対比や、いくつかの美しいショットなど興味を引く部分もあるが、自分には手に余る映画だった。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(2.0)
考えさせられる
(3.0)
笑える
(3.0)
泣ける
(2.0)
総合評価
(2.5)

キタコのレビュー

自分には前世があったのでは…生まれ変わりを信じてボスニアに向かうパリの男と、その一行。映画制作を模した、フェイクドキュメンタリーの手法をこんな風に使うのは新鮮。語り出しはオカルト色だけれど、国を越えてから一気に増す深刻さ。戦争の傷跡を映像に残すのは意義のある挑戦でしょう。
1991年に勃発したユーゴスラビア紛争の中から独立したボスニア・ヘルツェゴビナは、更なる内紛(ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争)に突入。本作に登場するのは激烈な市街戦があった街サラエボ。市民同士が銃を向け合った当時を知る我々世代には、訴えかけるものがありました。
劇中、現地の言葉を理解できる女性の素振りが理解できなかったのですが、現在も続く遺恨や悲しみを知るからこそ、彼女はあんなに居心地が悪そうだったのかも。少し分かりにくい部分があったので、フランス語のできない自分を恨みます。ファンタジーのフィルターを通して戦争の爪痕を見せる社会派。彼らがたどり着いた場所は印象的でした。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.5)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(3.5)
笑える
(1.0)
泣ける
(2.0)
総合評価
(3.0)

作品データ

原題/Les Héros ne meurent jamais

制作年/2019年

制作国/フランス

時間/1時間25分

ジャンル/ファンタジー

受賞歴/

原作/

配給/

監督/オード=レア・ラパンAude Léa Rapin

出演者/アデル・エネル、ジョナタン・クズィニエ、アントニア・ブレジ

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