イタリア映画祭2021の目玉作品の1本。オンラインで新作映画がみられるチャンス!イタリアの浮気、離婚事情について知ってからみると作品への理解も深まるはず。
あらすじ
1980年代初頭のナポリのとある一家の物語。いびつな関係だが愛と絆によってつなぎとめられる家族。息子と娘を持つ夫婦の平穏な暮らしは、夫が浮気を告白したことで終わりを告げる。夫は家を出て、残された妻と子供たちは不在の夫の影に翻弄される。
作品情報
オンライン上映作品
上映時間
100分
監督・キャスト
監督:ダニエーレ・ルケッティ
主要キャスト: アルバ・ロルヴァケル、ルイージ・ロ・カーショ、ラウラ・モランテ
公式サイト
イタリア映画祭2021 公式サイト:朝日新聞デジタル (asahi.com)
感想レビュー
「浮気」という題材を扱った映画は世の中にたくさんある。そして、どの作品をみても浮気をされた妻が登場するとどうしても女性だからなのか妻の気持ちになって鑑賞してしまう。妻の肩をもつ形で夫に対してなんだこいつと腹を立てながら鑑賞することもよくある。今回もその手の作品なのか!?と冒頭では思って鑑賞し始めたが…途中から夫目線に…さらには相手の女の目線にまでも…。監督の編集のうまさでこの100分の間に同じ出来事を三者三様の目線やとらえ方でみられた。
さらにさらに、それだけでは終らない。子供達の存在が作品の大きなスパイスとして用意されている。ただの浮気映画とは違った魅力がつまったいた。
イタリア映画ということもあり、イタリア人は情熱的な恋愛をするイメージはありますが浮気する人も男女問わずとても多いらしい。だけど離婚率は世界59位と意外にも低い。(ちなみに日本は36位)理由としては、カトリックという宗教がら1970年と最近まで離婚することが認められていなかったという背景もあるようだ。そして、離婚ができる現在も弁護士をたてて裁判をして時間もお金(100万円ほど)もかかるためしない選択をする人が多い。本作は1980年初頭ということでまだ離婚してるひとは少なかったはずだ。その背景をふまえて映画を鑑賞するといいだろう。
まとめ
靴ひもという題名の真意を知ることになるラスト10分が本当に痛快!家族の形は正解がないからこそ永遠のテーマになり得るのだろう。
イタリアの離婚事情についての背景をおさえて鑑賞すると理解が深まる作品だ。
(文:編集長)