人生を揺り動かす「幸運の女神」

あらすじ

名匠オズペテク監督（『あしたのパスタはアルデンテ』）が人気俳優のアッコルシ、レオ、トリンカを迎えたドラマ。本国では昨年のクリスマスに公開し、大成功を収めた。アレッサンドロとアルトゥーロのカップルは15年以上一緒に暮らしているが、２人の関係は危機に陥っていた。アレッサンドロの親友が突然、2人の子供の世話をするように頼んだことから、彼らの日常生活が変わり始める。トリンカがダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞（イタリアのアカデミー賞）で主演女優賞を受賞している。

クロスレビュー

キタコのレビュー

男性カップルに預けられた幼い姉弟が周囲を変えていく。定番の設定ながら見たことのない新鮮さ。というのも関係性が複雑すぎて凡人には驚きの連続。個々の深刻な状況にオズペテク監督はユーモアも加味。人気俳優陣が大好演の群像劇で後味も美味しい。心のまま生きるイタリア映画の機微ここにありです。

フレームホッパーのレビュー

ゲイ、シングルマザー、トランスジェンダー、はたまた重度の記憶障害を持っている男の夫婦など、”いわゆる普通”の人なら悪気もなく特別な目線を向けてしまう人々が冒頭からひっきりなしだが、この映画はわざわざそれを説明しないのが小気味よい。彼らと共に過ごす暖かい普通の日常を描きつつ、いくつかの深刻な運命と対峙させていく一方で、くすりと笑わせるユーモアも絶えない。男爵夫人に背負わせている負の要素に対して描き方が薄いようにも思うが、そのおかげで重くなりすぎず爽やかな後味。

作品データ

原題/La dea fortuna

制作年/2019

制作国/イタリア

時間/114分

ジャンル/ドラマ

受賞歴/ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 主演女優賞

配給/

監督/フェルザン・オズペテク

出演者/ステファノ・アッコルシ、エドアルド・レオ、ジャズミン・トリンカ