病に倒れた映画監督が家族と自分を考える「きっと大丈夫」

あらすじ

冴えない映画監督のブルーノは次回作の目途が立たずに焦りを感じる日々。おまけに私生活では離婚したばかりで、娘と息子の父親としても役目を果たせていない。さらにさらに追い打ちをかけるように、白血病にかかっていることが明らかに…。ブルーノは適切なドナーを見つけようとするなかで、異母妹の存在を知ることになる。ブルーノの病は果たして?2020年ローマ国際映画祭クロージング作品。

クロスレビュー

フレームホッパーのレビュー

白血病のために骨髄移植を受けるという深刻さとは裏腹に、繊細な主人公の動揺を隠さない言動と周囲の人の若干引いた空気感がいちいち面白い。大まかに3つの時系列のシーンを切り替えていく手法も効果的で観客を飽きさせない。死に瀕して気づきを得るというのはありきたりながら古びることもない話だが、周囲の人間の変化に関してもポジティブに描いている。それにしてもドナー探しの過程で明かされる老父の隠し事はアモーレの国らしい(笑) 終盤、幼少期の思い出の中の“ある謎”が解明されるシーンはとても腑に落ち、感動的で思わず唸らされる。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(2.0)
考えさせられる
(4.0)
笑える
(4.0)
泣ける
(4.0)
総合評価
(4.0)

村松健太郎のレビュー

国内にヴァチカンを抱えるイタリアだけに、宗教的な意匠やメッセージ、思想が作品の底辺に流れる作品が多い中で、この映画は珍しく宗教的な部分が少なくもっと原初的な家族の在り方にフォーカスが集まっています。劇中の家族像は広く一般的に通じるもので、日本人でもしっくりと来るのではないかと思います。病という困難に対しても至極科学的に対処しています。主人公が映画監督であることがもっと活かされればさらに良かった。多幸感の高い爽やかなエンディングはとても心地よいものでした。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(5.0)
笑える
(3.0)
泣ける
(3.0)
総合評価
(4.0)

作品データ

原題/Cosa sarà

制作年/2020年

制作国/イタリア

時間/101分

ジャンル/ドラマ コメディ

受賞歴/2020年ローマ国際映画祭クロージング作品

原作/

配給/

監督/フランチェスコ・ブルーニ Francesco Bruni

出演者/キム・ロッシ・スチュアート、ロレンツァ・インドヴィーナ、バルバラ・ロンキ

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