myfffクロスレビュー「ワーキング・ガールズ」

あらすじ

一見何の共通点もない3人の女性、アクセル、コンソ、ドミニクは郊外の集合住宅の駐車場で毎朝落ち合い、北フランスの街ルーベからベルギーへと国境を超え、体を売る。彼女たちが苦しみもがきながら求めるものとは…。
 

クロスレビュー

編集長のレビュー

どんなに頑張っても共感するのは難しい。なんといっても3人の主人公が様々な理由からみんな娼婦。生々しいSEXシーンが日常の中にひょいっと現れるところがこの作品の最大の特徴だろう。私たちの非日常が彼女たちの日常とひとつながりのところにある。なかでも、酒乱の元旦那に子供達の親権をとられまいと必死になっているシーンは胸をうつものがあった。お金を稼ぐって仕事をなかなか得られない国ではどれほど大変なことか。それが女性で家族を養うともなれば身体もはるしかないという現実がドラマながらも非現実といいきれないと思うと苦しい。

映画の評価
ハラハラワクワク
(4.0)
ドキドキ
(4.5)
考えさせられる
(4.0)
笑える
(3.0)
泣ける
(3.0)
総合評価
(4.0)

キタコのレビュー

シビれた! 圧倒された。なんという後味だろう! 娼婦として働く女性3人それぞれの事情、心情がこれでもかと迫り来る。各人の背景を物語るエピソード一つ一つの真実味は、女優3人のまさに身を投げ出すような演技が作り出したもの。心身ともに搾取される女性や人種、貧困、家族関係といった問題を明らかにする挑戦作だ。
ベルギーの性風俗といえば傑作『やわらかい手』も思い出すが、本作の方が性描写は多い。そのどれもが必要なシーンであり、彼女たちが共感し合う礎となっている。クソ男に対する行動には大いに笑い、出会ってしまう哀しみには胸が張り裂けそうになった。か弱く見えるが、根元にあるのは肝っ玉な強さだ。男女2人の監督に、人間を描くとはこういうことだと教えられた思い。個人的に今年のマイ・フレンチ・フィルム・フェスティバルの大きな収穫となった。ラストシーンも最高である。

映画の評価
ハラハラワクワク
(5.0)
ドキドキ
(4.0)
考えさせられる
(4.0)
笑える
(4.0)
泣ける
(4.0)
総合評価
(5.0)

作品データ

© Versus Production/Les Films du Poisson

原題/Filles de joie

制作年/2019

制作国/ベルギー/フランス

時間/ 1 時間 30 分

ジャンル/ドラマ

受賞歴/

原作/

配給/

監督/Frédéric Fonteyne
Anne Paulicevich

出演者/Sara Forestier
Noémie Lvovsky
Annabelle Lengronne
Nicolas Cazalé

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