myfffクロスレビュー「幕あい」

あらすじ

ヤシーヌと友人2人は、何としてでも『ワイルド・スピード ICE BREAK』をシネコンで見ようとするが、お金が足りず、シネクラブで上映されるクラシック映画『自転車泥棒』を見ることに。気の乗らないヤシーヌを思いがけない体験が待っていた。

クロスレビュー

出典:unifrance.org

村松健太郎のレビュー

映画発祥の地であり、シネクラブ運動が発展した形でパリに半官半民の映画アーカイブ施設シネマテーク・フランセーズを設立させたフランスらしい、古き良き映画にスポットを当てた短編。ハリウッドの今を代表するタイトルとして『ワイルド・スピード ICE BREAK』が登場するのも分かりやすくて、笑いを誘います。一方、クラシック映画としてイタリア映画の古典『自転車泥棒』を持ってくるのがまた巧い。フランスなので『天井桟敷の人々』あたりを持ってきてもよさそうなところですが、『自転車泥棒』が車(自転車)の窃盗の話だったり、劇中で語られる『ワイルド・スピード SKY MISSION』と同じ夕日に向かっていくエンディングであったりと共通項が多いことからのチョイスだと思われます。フランスにおける映画の在り方を知ることができる一本と言えるでしょう。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(4.0)
笑える
(3.0)
泣ける
(2.0)
総合評価
(4.0)

フレームホッパーのレビュー

誰しもに訪れうるピュア映画体験。15分ほどの短時間に映画を観るという行為に付随する多くのことがらが描かれている。「娯楽映画シリーズの最高傑作は何作目か」というようなバカっぽいけど最高に楽しい会話も輝かしい真実の瞬間なのだが、この映画はある時ふと自分の現実に映画が入り込んでくる感覚や意味のようなものを現代的かつシンプルに描き出している。映画ファンなら自分の経験を踏まえて誰かと語り合いたくなる作品かもしれない。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(2.0)
考えさせられる
(3.0)
笑える
(4.0)
泣ける
(3.0)
総合評価
(5.0)

作品データ

原題/Entracte

制作年/2019年

制作国/フランス

時間/16分22秒

ジャンル/ドラマ

受賞歴/

原作/

配給/

監督/Anthony Lemaitre

出演者/Iliès Kadri、Titouan Labbé、Ahmed Abdel-Laoui、Mariama Gueye

まとめ

出典:unifrance.org

映画好きな人にはニヤニヤが止まらない映画です。短い上映時間ですが、映画愛がギュッと詰まっていて、映画を見ることの楽しさ、発見の喜びをしっかりと込めた映画と言えるでしょう。

コメントを残す