日替わり配信ショートフィルム「お茶と会議」

あらすじ

時は1919年、イギリスが直面する重大な状況を打破する国内政策(Domestic Policy)を話し合う会議が開かれた。お歴々が長机を囲む中、メイドのマーガレットがお茶出しに行くと、会議はちょうど”女性政策”へと議題を移したところだった。会議が進むにつれて、冗談交じりに冗談のような政策が作り上げられていき、マーガレットは眉をひそめ……。

感想レビュー

フレームホッパーのレビュー

1919年というと第一次世界大戦終戦の翌年ということになるが、19世紀末から20世紀初頭のこの頃のイギリスは、女性の権利に関する運動が盛んだった時期でもある。サフラジェットと呼ばれる女性参政権を求める運動家たちが、平和的な運動から一部では放火や自殺などテロと評されるような過激な運動までも交えながら抗議を続け、戦争の機運もあり1918年には部分的にではあるが女性の参政権が認められ、1928年には21歳以上の全女性の投票権が認められた。

そんな女性の人権が平等へ向けて一歩前進する時代に、イギリスの首脳部が「戦争で労働に駆り出されて厚かましくなった女性を今後どう制御するか」というような論調で、メイドの女性の前でずけずけと話し合うのがこの映画だ。自分はとくに詳しいわけではないが、世間では女性参政権に関する人権運動が盛んで過激派すらいた時代に、ここまで恐れ知らずで無神経な男共がいるだろうかとも正直思った。まぁこの辺はイギリス流の皮肉なジョークなのかもしれない。
最後にマーガレットが否定の意思を示すシーンには少し胸がすくが、現実を考えればこれは戦いの始まりに過ぎないのだと思う。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.0)
考えさせられる
(3.0)
笑える
(3.0)
泣ける
(2.0)
総合評価
(3.5)

作品データ

原題/Domestic Policy

制作年/2016

制作国/イギリス

時間/6分49秒

ジャンル/コメディ

受賞歴/

原作/

配給/

監督/Alicia MacDonald

出演者/Leo Bill, Nicholas Burns, Karl Johnson, Alex Macqueen, Lesley Manville, Peter Wight

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