自分にしか見えない友人。いわゆる空想上の親友(イマジナリー・フレンド)が暴走していく恐怖が、若手2世スターの競演で描かれます。
ポスターはこんなに爽やかなのに!?とアゴが外れるほど、全く印象の異なる視覚刺激系ホラー。心理的にもグイグイ来る面白さ。
こちらの記事では主演2人について、そして、どんな映画がベースになっているのかについても触れています。

作品情報
公開日
2021年2月5日/R15+
上映時間
99分
原題
Daniel Isn’t Real
監督・キャスト
監督:アダム・エジプト・モーティマー
出演キャスト:マイルズ・ロビンス、パトリック・シュワルツェネッガー、サッシャ・レイン、ハンナ・マークス、メアリー・スチュアート・マスターソン
予告編
公式サイト
『ダニエル』公式サイト
https://danielmovie.jp/
感想レビュー
これは嬉しい怖さ。こういう展開だろうと予想していたら、まるで違う方向に進んだり。主人公青年の苦悩だけでなく、その母親の苦しみも切実で胸が痛んだり。ポスター含め、良い意味で裏切られました。ガラスが割れまくっている不穏な実家というのは、それだけでもう哀しくなります。
ただ、かなりデジャヴ感がありました。モーティマー監督の言葉通り、傑作『ファイト・クラブ』を踏襲しているために、相当な長さがファイトクラブ状態。まさかずっとこのまま行くのか・・・と不安になるほど。その分、オリジナリティが減ってしまった気がするのは残念。
見所は主演の2人! 冴えない青年役のマイルズ・ロビンスは、共に演技派のティム・ロビンスとスーザン・サランドンの息子。イマジナリーフレンド役はアーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガー。両者とも両親の若い頃にそっくり! 2人とも挑戦的な役柄で、スターDNAの継承も確認できました。筆者(ティム・ロビンスのファン)はすっかり親目線で観ていたため、熱烈ベッドシーンは気恥ずかしさMaxに。
また、懐かしの映画ファンには嬉しい、メアリー・スチュアート・マスターソンが母親役。熱演です、これまた感激です。
デヴィッド・クローネンバーグ監督やギレルモ・デル・トロ監督の影響も見えて、作り手の好みが窺えます。それら先人の秀作と比べなければ、本作も素直に味わえるゾワゾワ感。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ主演のイライジャ・ウッドが製作で、ホラー好きゆえの意気込みが感じられたのも好印象。
まとめ

若手2世スターの演技対決は、気迫十分。冒頭から思わせぶりなヒントも転がっており、劇中に登場する映画名を紐解いても面白そう。恋愛問題の苦悩や、アイデンティティへの切迫感も高くて、後味もヒリヒリした痛みが残ります。気持ち悪いホラー(褒めてます)をイケメンが演じるというのが、まず素敵。2人の充血目力対決は見応えありました。
(文:キタコ 協力:編集長)
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