myfffクロスレビュー「犬っころ」

あらすじ

750匹の犬を収容するモロッコの野良犬保護施設。犬たちは餌以外に楽しみもなく、単調な日々を送りながら、ひたすら里親を待つ。保護施設に閉じ込められた犬の生活から、アフリカからヨーロッパへ押し寄せる移民たちが移民収容所で送る暮らしを浮かび上がらせ、観る者に一考を促すドキュメンタリー作品。

クロスレビュー

出典:unifrance.org

村松健太郎のレビュー

他頭飼いの犬の様子がずっと描かれ、セリフらしいもののラストのニュース報道までなく、いったい何を見ているのか?と途中まで思ってしまいますが、終盤に挿入されるニュースの内容でハッとさせられる作りになっています。日本にいる分にはあまり意識しない難民問題ですが、大陸と地続きのヨーロッパ圏内においてはとても身近な問題でもあります。里親のない犬と難民を重ねて描いていいのか微妙な感じもしますが、難民キャンプの様子をみるとあながちまた外れでもないのかもしれません。

映画の評価
ハラハラワクワク
(3.0)
ドキドキ
(3.5)
考えさせられる
(4.0)
笑える
(1.0)
泣ける
(1.0)
総合評価
(4.0)

キタコのレビュー

こんなにも多くの犬が収容されているのかとまず驚く。あらすじを一読してから鑑賞すると、この大量の犬は人間を模しているのだとすぐに分かって背筋が寒くなるかもしれない。犬達の姿は移民のそれであり、こんなふうに無造作にキャンプに押し込められているのかと想像すると辛さが増す。終盤の説明まで、個々の犬ではなく群れとして見続ける意味の重さ。ラストカットは実に比喩的。本作の制作がカナダのフランス移民の町ケベック州というのも、また意味が深そうだ。

映画の評価
ハラハラワクワク
(2.0)
ドキドキ
(2.0)
考えさせられる
(3.5)
笑える
(1.0)
泣ける
(1.0)
総合評価
(3.0)

作品データ

原題/Clebs

制作年/2019

制作国/カナダ・ケベック

時間/18分

ジャンル/ドキュメンタリー

受賞歴/

原作/

配給/

監督/Halima Ouardiri

出演者/

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