共同監督作品『ゾッキ』の公開も近い山田孝之主演作品。恋とハワイと家族愛。笑ってウルッとして、心の温度も上がる爽やかな1作。ハリウッド版との違いにも触れてみたい。
あらすじ
ハリウッド映画「50回目のファースト・キス」をリメイクしたラブコメディ。ハワイ、オアフ島でツアーガイドとして働きながら天文学の研究をしているプレイボーイの大輔は、地元の魅力的な女性・瑠衣とカフェで出会う。2人はすぐに意気投合するが、翌朝になると、瑠衣は大輔についての記憶を完全に失っていた。瑠衣は過去の事故の後遺症のため、新しい記憶が一晩でリセットされる障害を抱えているのだ。そんな瑠衣に本気で恋をした大輔は、彼女が自分を忘れるたびにさまざまな手で口説き落とし、毎日恋に落ちて毎日ファーストキスを繰り返すが……。
作品情報
公開日
2018年6月1日
上映時間
114分
監督・キャスト
監督:福田雄一
主要キャスト:山田孝之、長澤まさみ、ムロツヨシ、勝矢、太賀、山崎紘菜、大和田伸也、佐藤二朗
予告編
感想レビュー

笑いがいっぱいだ! ラブストーリーだけれど、広い意味でのラブに溢れている。恋の行方もさることながら、家族の思いが実に温かい。短期記憶喪失障害を抱える瑠衣(長澤まさみ)を守ろうとする父親と弟の姿が健気だ。
長澤まさみは天真爛漫な芝居はもちろん、足の美しさがとんでもない! 女の筆者もドキドキである。ごちそうさまである。ハワイの景色も美しく、特に夜空は見どころの一つ。自宅鑑賞であっても満点の星空を体験できるだろう。
福田雄一監督のお気に入り俳優が目白押しでお得意のギャグも控えめながら満載なので、お好きな方はハマれるに違いない。中でも、太賀(仲野太賀)のハジケ方は最高だ。ハマれない場合は戸惑いがあるかもしれないが、実はハリウッド版も同じ空気感なのである。
オリジナルの映画は2004年に制作された。主演はドリュー・バリモアとアダム・サンドラー。愛に満ちたコメディの傑作で各国でリメイクされている。本作との違いは主に、登場人物の職業。天文学のエピソードは日本版独自だ。だが、細かいギャグのセリフに至るまで多くの場面がハリウッド版と同じであった。時代が進んだことで電子機器を活用した新しいシーンもハマっており、リメイクとして大成功である。
まとめ

短期記憶喪失への言及もあり、観客にとっても意義が深い。症状への理解も進むのではないだろうか。障害に出会った時に立ち止まるのか進むのか、周囲はその手助けをどうやってしていくのかと考えさせられる。それでいて重たくない。アホアホしさでドシドシ笑わせてくれるから、スッと心に響く。エンドロールにはハリウッド版へのメッセージも隠されているので、2本を見比べて探してみるのもオススメだ。
(文:キタコ)